【奉天特派員二日発】吉林の𤏁洽、ハルビンの張景恵両氏の独立に引き続き、洮南の張海鵬も又一日遂に独立の宣言を発し、黒龍江省及び熱河省政府湯玉麟、コロンバイル蒙古青年党の独立もまた目前の間に迫った。かくて満蒙各地は一斉に独立を宣することとなり、ここに満蒙独立建設計画は漸次具体化転向を取らんとするに至った。しかるに特に注意すべきことは吉林の𤏁洽、ハルビンの張景恵、熱河の湯玉麟、洮南の張海鵬氏等並びに瀋海線山城子にある遼寧省省防軍東辺指揮于芷山等の武力派の間においてかねて
(一)満蒙独立国を建設すること(二)宣統帝を擁立して帝政を布くこと(三)国号を「明光」とすること
右の諒解が成立していたという事実である。かく満洲に割拠する各実力派はいずれも宣統帝を擁立し明光帝国を建設せんとするのであるが、これに対して袁金鎧氏等旧奉天文治派の指揮する地方維持委員会および闞朝璽氏等の四氏臨時委員会はいずれも「中和国」を建設せんとする共和制説を固執しここに端なくも帝政、共和制二大分派の対立を見るに至り、帝政派勝つか共和制派勝つか、国号が「明光」となるかはたまた「中和」となるか満蒙独立国建設計画に関する興味は早くもこの一点に集中されるに至った。
※東京朝日新聞昭和六年十月三日朝刊

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