蒋公使から外相へ口上書 政府直に反駁回答
駐日支那公使蒋作賓氏は去る二十九日館員を外務省に派し満洲新政権問題に関し口上書を寄せたが外務省ではこれに対し一日、回答した。双方の口上左の如し。
支那側の口上書
新聞報道によれば我国東四省地方に独立政府建設を企図する組織ある趣であるがかくの如き中華民国領土を破壊する暴動は貴国軍隊が未だ撤退せざる以前においては我国政府はこれを制止するに由なきに付、貴国政府において完全なる責任を負うべきものである。よって貴大臣において右様御承知相成度くなお右に対し御回答を煩し度し。
政府回答口上書
今次日本軍は自衛処置として一時満洲地方において日本鉄道付属地外の若干の地点に占據したが最近中国側地方的治安維持機関備わるに伴い逐次鉄道付属地内に集結しつつあるのみならずこれ等地点においては当初より軍政を施行したる事なく、また帝国政府は現下の自局に鑑みつとに満洲における中国人の政権樹立の策動に対し帝国文武官が何等の奨励、または支持を與えることを厳禁するとともに一切の適法の手段を⚫︎して本邦人がこの種の策動に関与する事を取締り居る次第なるを以て帝国政府は何の意味においても右中国人の策動に次、何等責任を執るべき地位にあらず。もしそれ局地的治安維持機関の成立に至りては満洲地方において賊徒等横行の現状に際し同地方の治安の回復を計り内外住民の安全を加え、日本軍隊の付属地内への集結を容易ならしむる見地より帝国政府の歓迎し居る所なり。
⚫︎は判読不明文字。
※東京朝日新聞昭和六年十月二日朝刊

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