警視庁の人事相談係
警視庁人事相談係を訪れる人が急増している、賃金や代金の不払い相談の他、さらに家庭生活上の問題としては離婚の相談に来る婦人が目立って多くなったことで、同月中百二十八件に上りこれ等はいづれも民法上離婚成立の正当なる理由のあるものは殆どなく相手の男と結婚したが、予期したような収入はなく生活していけないというのや、夫が甲斐性なしで失業しても勤め先を探すでもなくぶらぶら遊んでばかりいるという単純な理由で、いづれも生活地獄を如実に描き出している。
中村係長談
中村係長は語る。
「結婚前に相手方をよく調べたら生活上の問題は起こらないのだが、何しろこの不景気で他家に嫁げばそれだけ自家の負担が軽くなるとか勤め口がないから嫁に行こうととかく結婚を急ぐからこんな問題が起こるので仲人や親にも言えず此方に相談に来るという若い細君がかなりあります」
※讀賣新聞昭和六年九月二十五日朝刊

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