主盟は袁金鎧か于冲漢
二十八日奉天にて==中尾特派員発電
奉天の支那官民有力者は連日東北新政権の組織に骨折りその成立を急いでいるが、未だ具体化せず確立は多少遅延の見込みである。何人が主盟たるかは不明なるも地方維持会会長袁金鎧氏もしくは安山煤鉄公司の支那荘辦于冲漢氏ならんも未だ確定せぬ、新政権は東北四省を総括すべく将来を期せるも未だ勢力、吉林、黒龍、熱河の三省に及ばず逐次統一を図るに至るべきも差し当たりは奉天、吉林の二省を出でぬであろう、吉林は張作相氏すでに下野し、すでに省内は四分五裂しているから遼寧政権確立を見たら自然合流すべきであろう。奉天官民の自治団体は本日討論会を開き、張学良を軍閥として排斥し南京政府から分離することを声明し、その決議を南京政府に打電しさつ青天白日旗を廃止、新徽章を制定せんと目下考案中である。これを見ても彼等が如何に政権確立を急いでいるかがうかがわれるが、代表的人物の名乗り出でざるは未だその内部の機構が完成せぬことを示すものと解せられる。
新政府の三代原則決まる 軍閥を排斥し、支那本部と絶縁
【奉天二十八日発聯合】今回の事変発生以来奉天における支那側有力者等は新政権の樹立に関して寄々協議中であったが最近右問題に関し、左記三項にわたる根本方針を確立したと伝えられる。
一、新政権の本体は民意に合する人物並びに政体たる事、旧軍閥は一切排除す
一、右人物並びに政体の決定は人民より公選されたる委員の決定に俟つ事
一、新政権の地域的範囲は東四省とし、これを支那本部と全く隔絶せしむる事
右は要するに最近東四省の独立行政権が急角度に失墜し対外的にも自立し得ざる羽目に陥ったのは一に東北が支那本土の内争に捲き込まれた為であるからこれに鑑みこの際、張学良政権の旧態を打破し中央と絶縁して独立政権の地域を確立せんとするものである。
※讀賣新聞昭和六年九月二十九日朝刊

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