排日取締を拒絶 奇怪なる国民政府 昭和六年九月二十八日

【南京特派員二十六日発】上村南京領事は帝国政府の訓令により二十六日国民政府に対し在支居留邦人保護と反日運動取締りにつき厳重要求をなしたが王外交部長は居留民の生命財産については極力これに努力を払っているところでこれを引き受けたが、反日運動の取締りに対してはこれを取締ることは現在は不可能であると答え、反日運動の取締要求を拒絶した。

反日今や全支に拡大

【上海特派員二十七日発】南京、上海の反日大会に次いで各地に続々大会を開き非常に大きな気勢を揚げつつあり、湖南の長沙にては二十五日反日示威大会を開き、全市休業の上十ヶ条の反日決議を行ったが、江西の南昌は二十六日市民大会を開き全市半旗を掲げて休業し、決議示威運動を行い、飛行機で伝単を撒いて気勢を添えた。漢口は二十八日に反日大会と示威運動挙行に決し、北平も二十八日抗日救国大会開会と決した。南支那では香港に二十六日抗日大会ありていよいよ排日気勢を添え、汕頭は二十八日に市民反日大会を開くに決した。寧波では二十六日大会開かれこれも対日宣戦、永遠の反日等を決議した。その後全支各地に漏れなくこの風潮は拡大しつつある。

我公文書を開封 上村領事直に抗議

【南京特派員二十六日発】反日運動の激化に連れて南京邦人の長距離電話電信の使用は全く差止められてしまったが更に一般郵便物にまで妨害を加えるに至り二十五日には遂に無謀にも我が帝国領事館あての公文書五通及びその他の私信を開封検閲の挙に出た。我が領事館では郵便に託するものとて中身は大したものでないにしてもいまだ嘗て我が政府の公文書が開封検閲されたことがないのですこぶる問題視し、上村総領事は直に検閲の印を証拠として支那側に厳重なる抗議をなした。外交部では大いに⚫︎⚫︎し、今後必ずかかることをなさざるよう言明するとともに取敢えず陳謝の意を表した。

⚫︎:判読不明文字

※東京朝日新聞昭和六年九月二十八日朝刊

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