英、保護貿易転換か 昭和六年九月二十七日

英国、財界改善に努む

【在ロンドン松平大使発二十六日外務省着電】英蘭銀行の金地支払業務停止法の実施其他目下議会に提出中の緊急予算案の討議が順調に進捗して居る為当地財界は一先ず落ち着きを見せ一時閉鎖せられたる取引所も二十三日より再開せられ輸出増加の見込みも手伝たるが各種国内産業株は相当高騰を示したる次第なるところ。一方議会その他各方面において英国目下の経済界の不況は単に予算上の均衡を得るが如き姑息手段により救済すべからず貿易上の均衡を得べき必要ににしてこれがためには従来の自由貿易主義を捨てて輸入関税設定政策の採択緊急なりとの説、次第に有力になりつつあり、なお近く総選挙も行われることとなるべく旁々(かたがた)政界及び経済界の不安去らず磅(ポンド)の対外為替相場の下落に伴い国内物価は次第に上騰の気配あり。

※讀賣新聞昭和六年九月二十七日朝刊

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