軍司令官の独断に基き朝鮮軍愈よ満洲出動

昨夕参謀総長あて報告来る 閣議の決定を待たず

満洲各地の事態急迫に伴い既に新義州に集結して待機の姿勢にあった龍山第◯◯師団より編成された混成旅団並びに間島危急の報に◯◯に移動をなした、羅南第◯◯師団第◯◯旅団の満洲出動如何は注目を集めていたが、これ等今後の方針を決定すべき二十一日の緊急閣議は遂に別項の如く議論沸騰して決定を持ち越された。折柄右閣議散開後南陸相が若槻首相と首相事務室に於て会見中杉山陸軍次官、梅津参謀本部総務部長馳せつけ只今林朝鮮軍司令官より金谷参謀総長に対し、

関東軍司令官より事態切迫し朝鮮の救援を求む旨の入電ありたるにつき本軍司令官は独断を以て満洲に兵を動員せり。事態急迫の折金谷参謀総長の承認を得る能わざりしを遺憾として改めて報告する

との入電報告あったと伝えたので南陸相は再び首相事務室に入り若槻首相に此の旨を報告し終って左の如く発表した。

関東軍司令官より救援を求められた結果朝鮮軍司令官は時局の重大なるに鑑み内閣の決定を待たず独断専行朝鮮軍をして国境を越え出発せしむることに決定した。

※讀賣新聞昭和六年九月二十二日朝刊

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